ご挨拶

代表からのメッセージ

弊社は1974年、損害保険会社等の出資により設立され、ドイツで開発された事故車修理費を迅速かつ正確に算出する「アウダテックスシステム」を参考に、日本の環境に合わせて独自の「事故車修理費見積りシステム」を構築・ご提供してまいりました。結果、自動車関連業界、損害保険業界に広く受け入れられ、40数年に渡り、業界の一翼を担うところまで成長させていただいております。一方、当該市場を見渡せば、自動車はクリーンエネルギーの実用化や快適性の向上等の「進歩」を続けつつ、自動運転車のような「進化」が急激な早さで進んでおります。この激変しつつある環境に呼応すべく、弊社としても事故車修理費見積りシステムの発展という「進歩」を継続しつつ、新たな「進化」も遂げていくことが必要と考え、2017年4月1日、「コグニビジョン株式会社」へ社名を変更いたしました。「cognivision」とは、「認知」や「経験・事実的知識に基づいた」という意味を持つ「cognitive」と、「先端視点」という意味の「vision」を掛け合わせたものです。これまで培ってきた経験とコグニティブ技術を用い、先端視点を持って進化していく弊社の姿勢を表現しています。新たな社名とともに新たな技術や分野にも挑戦し、よりお客さまのお役に立てるシステムや価値の高いデータのご提供を通じて、自動車関連業界、損害保険業界、そして社会に貢献する、時流を創り出し選ばれ続ける企業を目指してまいります。

カーアフターマーケットの"ハブ"を目指す

事故車修理費見積りシステムのパイオニアであるコグニビジョン株式会社は、2019年10月1日、前身の日本アウダテックスから数えて創立45周年という節目を迎えました。これもひとえに、コグニソフト(旧アウダソフト)や関連製品・サービスをご愛顧いただいておりますお客様をはじめ、関係各位のご支援、ご協力の賜物と、社員一同、心から感謝申し上げます。

マーケットは拡大均衡に向かう

自動車産業は、Connectivity(つながる=IoT化)、Autonomous(自動運転)、Shared&Service(シェアリング)、Electric(電動化)の4つのキーワードの頭文字を取った、いわゆる"CASE"によって、潮流が大きく変わろうとしています。加えて、少子高齢化や若者のクルマ離れ、高度化による事故の減少などを背景に、カーアフターマーケットは縮小均衡に向かうと懸念する声も聞かれます。しかし、それはあまりにも物事を直線的に考えすぎているのかもしれません。長期的に見れば、事故は減っていく傾向ですが、全ての自動車が衝突被害軽減ブレーキなどを備えたASVに入れ替わるのには、30年はかかると言われています。そのため、2016年に発生した交通事故を「100」とすると、2024年でもまだ「87」という試算があるなど、思ったより緩やかなスピードでしか事故は減らないと予測されています。
また、自動運転関連の補助装置が普及していくと、初心者や高齢者でも運転が容易になり、テクノロジーの進化を追い風に運転人口が増えるという見方もできます。物事を単純化せず、様々な要素を掛け合わせて考えることによって、全く異なる未来が見えてくるのです。
さらに、考慮しなければならないのが多発する自然災害です。ベルギーのルーバン・カトリック大学の分析では、近年、国内外の自然災害による被害額が加速度的に増加しています。最近で見ても、昨年の日本の自然災害による家屋や自動車の被災件数は、東日本大震災が発生した2011年の2倍に及びます。今後も異常気象が予想される中、自動車の損傷、故障するケースは間違いなく多くなるでしょう。つまり、緩やかに事故が減る中、それをはるかに上回るスピードで自然災害によるリスクが高まると言え、カーアフターマーケットは縮小ではなく、むしろ拡大均衡に向かうというのが私たちの考えです。

カーオーナー様を絶えず見続ける

そうした中、コグニビジョンが関わるステークホルダーは、自動車メーカー、ディーラー、自動車修理・整備業界、損保業界と多岐にわたり、それぞれの皆様で立場が異なる部分もありますが、共通しているのは皆様が「カーオーナー様のために仕事をしている」点です。つまり、今もこの先の未来も、弊社の目線の先にはカーオーナー様を絶えず意識して見つめ続けることが、何よりも重要だと考えています。事故車の修理では、事故が起こって不安にさらされているカーオーナー様に対し、安心や安全、修理見積りの透明性、早く修理するための迅速性に資するような製品、サービスを提供することこそが私たちの使命です。
その観点から見て、私たちは大きな強みを2つ持っています。1つは45年間、ステークホルダーの皆様と築いてきた強固な人的関係性があること。各ステークホルダーから集まる情報を分析したり、連携したりすることが可能です。そして、もう1つがその間に蓄積された各種データを保有していること。例えば、AIを使って部品データや修理データをつなげて、カーオーナー様の大切な愛車の修理に役立てることができないか、現在研究している最中です。こうしてステークホルダーからの情報や連携、過去から積み上げたデータを活用し、カーアフターマーケットの"ハブ"的な存在になることが、弊社が次の5年、10年に向けて目指す未来像です。

ソフト・ハード・人を強化する

そのためにも、カーアフターマーケットを背負って立つIT企業として、商品とサービスを絶え間なく強化していく必要があります。まずは、コグニソフトをはじめとする「ソフトウェア」の進化です。現在も進行形で、ユーザー様の声や意見に真摯に耳を傾け、レスポンスを速くしたり、情報同士をつなげて効率性を高めるなど、日々改良を重ねています。そうした細かい改修に尽力しつつ、最先端のテクノロジーを導入する可能性を探っていきます。
一方、新しい「ハードウェア」の研究開発も進めます。今はさまざまデバイスが世の中に出回っていますが、画面の見やすさ、ボタンの押しやすさなど、いわゆるUI(ユーザーインターフェース)やUX(ユーザーエクスペリエンス)デザインにおいて、より見積り担当者にとって使い勝手の良いハードウェアを果敢に探究します。
そして、最後が「人」。現在、コグニビジョンでは、更なる発展のために、経験豊富な人材を積極的に採用し、IT企業として進化を遂げようとしています。また、外部向けには、弊社に多数在籍する損保業界のアジャスター経験者が、様々な場所で研修会を開催。ボデーショップの皆様に見積りの知識やノウハウをお伝えする活動を強化しています。
今後も、ソフトウェア、ハードウェア、人の三位一体の強化で事故車修理費見積りシステムの発展に力を尽し、カーアフターマーケットに貢献していきたいと考えております。