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集客と利益の最大化につながる

「A4」1枚アンケートを導入して売れる広告、儲かる仕組みを作ろう

「チラシをまいても顧客が集まらない」「集客できても利益が出ない」「そもそも良い広告や販促のアイデアが浮かばない」...。経営者や担当者の方々は、集客や利益の最大化に日々頭を悩ませていることでしょう。そこで、おすすめなのが、契約したお客さまに「A4」1枚のアンケートをお願いし、回答内容をそのまま広告や店舗の改善に役立てる、簡単なのに効果がある斬新な手法です。この手法を編み出した販促コンサルタントの岡本達彦さんへの取材をもとに、ボデーショップにおけるアンケート活用例をご紹介します。


意外と知らない「買われた理由」。アンケートの答えがそのまま広告に

 皆さんは、なぜ顧客が入庫をしてくれるのか、自社の商品やサービスを買ってくれるのか、本当の理由を知っていますか?多くの経営者や担当者は、答えに困るのではないでしょうか。答えられないのは、顧客から本心をはっきりと聞いたことがないからです。実は、この「買われた理由」が明らかでない点こそが大きな問題。逆にそれが分かれば、集客も利益の最大化も図りやすくなります。

 契約者(購入者)は商品やサービスが気に入ったから買ったわけです。ボデーショップで言えば、「技術が高そうだから」「修理が早いから」「接客が良かったから」「安かったから」など、工場によって理由はさまざまでしょう。しかし、それも聞いてみなければ、不確かなままです。自社では「修理の早さ」が決め手と思っていたのに、実際は「技術の高さ」を挙げる人が多いなど、ギャップは往々にしてあります。

 そこで、本当の理由を知るために行うのが「A4」1枚アンケートなのです。これの驚くべき効果は、アンケートの質問に応じて書いていただいた顧客の答えが、そのままチラシなどの文言として流用でき、ボデーショップに利益をもたらす優良顧客を集められることです。早速、具体的な質問項目を見ていきましょう。

悩みを尋ねてターゲットを明確化。自社を知った媒体に重点投資する

 質問項目は自由記述式のものが5つです(右ページ上図参照)。Q1の質問は「当社で契約(もしくは購入)する前は、どんなことでお悩みでしたか?」。これを聞くことで、ターゲットとなる自社の顧客像がはっきりします。例えば、修理で入庫した顧客で「適正な料金で傷を修理してくれる会社を探していた」と書く人が多ければそのまま活用し、「適正な料金で傷を修理してくれる会社をお探しの方へ」と広告で打ち出します。あるいは、タイヤを購入した顧客で「遠出することが多く、長持ちするタイヤにしたかった」という答えが多ければ、「遠出することが多くて長持ちするタイヤをお探しの方へ」と書くのです。そうすれば、同じ悩みを持つ人の目に留まり、共感を得ることで、店に来ていただける可能性が高まります。

 次にQ2では「どうやって当社を知りましたか?」と尋ねます。これを聞くことで、お金をかけるべき媒体がはっきりします。「チラシ」と書く人が多ければチラシに、「ホームページ」が多数に上れば、ホームページに力を入れるべきです。ボデーショップの場合、「工場の前を通って知った」という人が多いかもしれません。その場合はチラシをやめて、浮いた費用でのぼりや看板を増やし、気づきやすくするのも一つの手です。

来社や契約で不安に思うことを質問。広告や店頭で対策を打って払拭する

 続いて、Q3は「当社を知ってすぐに来社、および契約されましたか?されなかった方はどのような不安がありましたか?」という質問。この質問によって、顧客が来社前やその後の契約前で抱く不安に対し、手を打つことができます。例えば、来社前に「店の中が見えず、入りづらかった」という答えが多ければ、店内や従業員の写真のパネルを店頭に掲示したり、ガラス窓を多くして見えやすくリフォームするなどの対策が打てます。「無理に契約させられるのではないかと思った」と回答があれば、広告や看板で「無理な契約は一切いたしません」と書くことで、不安を解消できます。すぐに契約しなかった理由に「料金が高いかもしれないと思った」とあれば、他社との料金比較表を広告などに載せ、適正価格であることを訴求するわけです。

選ばれた理由を"強み"として訴求。利用後の感想は「顧客の声」で流用

 Q4の質問は、「他にも似たような会社があったにもかかわらず、何が決め手となって当社を選ばれたのですか」です。顧客は契約前に複数の会社を比較し、何かが優れていたから自社が選ばれたのです。そのライバル社より優れている「何か」こそが自社の強み。質問によってその強みが明らかになるので、そこを前面に打ち出せば他社と差別化を図れます。仮に「地域で事故車の修理実績が最も多いと聞いて安心できると思ったから」と回答があれば、「地域NO.1の事故車修理実績○○台!だから安心!」と広告で訴求するのです。

 そして、最後のQ5では「実際に修理されてみていかがですか?率直な感想をお聞かせください」と、利用後の良さを聞きます。顧客の回答で「凹みの修理だけでなく、室内もきれいに掃除してくれて、毎日の運転が気持ちいいです」といった感想があれば、それをそっくりそのまま「当社で実際に修理した方の喜びの声」として、広告に掲載するだけで良いのです。

効果絶大な広告が簡単に完成。優良顧客が集まり、儲けが最大化

 こうして、「A4」1枚のアンケートを取るだけで、実際の顧客の声に基づいた、ウソ偽りのない広告が、頭を悩ますことなく楽々作れるわけです。この広告は絶大な効果を発揮します。そもそもアンケートにひと手間かけて協力してくれる人は、商品やサービスを特に気に入ってくれている、いわば自社の"ファン"であり、広告でその声を忠実に再現することによって、同じようなファンになり得る顧客を集めることができるからです。ファンは、自社を継続的にリピートして利用してくれる最も大切な優良顧客です。

 一般的に「80対20の法則」と言われ、会社の儲けの80%は顧客全体の20%に当たる優良顧客がもたらすと考えられています。儲けの最大化も期待できる「A4」1枚アンケートを検討してみてはいかがでしょうか。

今回のレポートは、著書『「A4」1枚アンケートで利益を5倍にする方法』が、ネット通販のアマゾンが日本に上陸して15年間で売れた「ビジネス書50冊」の44位に入るほどのベストセラーになった、販促コンサルタントの岡本達彦氏に取材して構成しています。著書はシリーズ化され、16年に『「A4」1枚アンケート実践バイブル』を出版。アンケートの答えから売れる広告が作れる独自の手法は、お金がかからず簡単で即効性があり、全国の中小企業が導入しています。

岡本達彦氏の著書

『「A4」1枚アンケート実践バイブル』(ダイヤモンド社/1,728円・税込み)

アンケート例やチラシ例は、岡本達彦氏の著書『「A4」1枚アンケート実践バイブル』で紹介されている図を参考に作成

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