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無料で始められるとても有効なSNS

LINE公式アカウントを使って 来店とリピートにつなげよう!

日本国内では圧倒的に利用者が多いメッセージ交換アプリのLINE。実は、ボデーショップでも有効に活用でき、しかも一定の範囲内であれば無料で使用が可能なサービスがあります。それが、「LINE公式アカウント」です。他のSNSとは異なり、老若男女を問わず幅広いユーザーとコミュニケーションや販促を図れることが優位点。誰でも簡単に始められる活用法を、LINEのビジネス利用に詳しい専門家の深谷歩さんに聞いてみました。


年代・性別を問わず、幅広くリーチ配信した情報が確実に届くのが利点

ビジネスに利用できる様々なSNSがある中、LINEが有効な理由の一つは、国内だけで約8100万人が利用しており、日本人の大半がユーザーである国民的アプリということです。InstagramやTwitterは比較的若い層、Facebookは40~60代の男性の利用が多いのに対し、LINEは全世代が活用。ボデーショップの顧客が年代や性別など幅広い中、その大半にリーチできることが特徴です。

そしてもう一つが、大半のSNSやブログはユーザーがアクセスしてくるのを待つメディアですが、LINEは逆で、ユーザーのスマホに直接リーチできる点がメリット。つまり、友だち登録してさえもらえれば、店側から配信した情報が確実に相手に届き、目に触れる可能性が格段に高いことが、他のツールにはない魅力なのです。

LINE公式アカウントアプリを入手する設定は実に簡単、認証申請するのが重要

LINEをビジネス利用するためには、LINE公式アカウントを開設する必要があります。開設はパソコンからもスマホのアプリからも可能ですが、今回はより手軽なスマホアプリからの方法を説明します。

まず最初にスマホのAppStoreやGooglePlayで「LINE公式アカウント」と入力して検索し、表示されたアプリをダウンロード。終了したらアプリを開き、既にLINEの利用者であれば「LINEアプリでログイン」を選択し、ボタン操作するだけで開設は完了です。面倒な手続きは不要で、こうして実に簡単に始められることがLINE公式アカウントの優れている点です。

次にアカウントの設定を行います。これも、アカウント名や業種、社名、メールアドレスを入力するだけの手間がかからない操作ですぐに終えることができます。ここで重要なのが「情報公開」の項目で「認証ステータス」→「アカウント認証をリクエスト」をクリックし、申請することです。LINE側が審査し、1週間程度で認証を受けることができます。認証の利点は、ユーザーがLINE上で、例えば「自動車修理」「板金」「車検」などと入力して検索した場合、結果画面に表示されるようになること。フリーの顧客に認知され、集客につながる可能性も出てくるというわけです。

友だち登録するメリットを提供する登録と引き換えにクーポンを配信

アカウント設定の完了後、次のステップは「友だち」の登録をとにかく増やすことです。QRコードを印刷して、ボデーショップ事務所内のフロントや商談・待合のテーブルにPOPとして置いて登録を呼びかけたり、運用しているホームページに友だち追加ボタンを張り付けるなど、リアルとネットの両方で登録を積極的に案内します。ポイントは、登録するメリットを提供することです。例えば、クーポン作成機能を使って「修理代10%オフ」のデジタルクーポン券を作り、登録直後に自動送信される「あいさつメッセージ」に付けて送ることができます。修理代が割引されるのであれば、大半の顧客が友だちになってくれることでしょう。そうして地道に友だちを増やしていくことが、LINEのビジネス利用では非常に重要です。

友だち登録されているからこそ得られる "お得な情報"をメッセージで配信する

友だちがある程度増えたところで、いよいよメッセージを配信するステップに移ります。便利なことに、メッセージは登録している友だちに対して、一斉に配信することができます。メッセージの内容として適しているのは、基本的に友だちに登録しているからこそ得られる「お得な情報」であることです。

ボデーショップであれば、「LINE の友だち限定で手洗い洗車無料」「エンジンオイル無料交換サービス」などのクーポンを送信すること。あるいは、季節商品の案内を絡めて、「冬用タイヤ30%OFF」「エアコンフィルターの交換工賃無料サービス」などのクーポンを配信し、シーズン需要を喚起し、取り込むことも有効でしょう。

ひと月1000メッセージまでは無料!

クーポンばかりが手ではありません。新商品入荷に際して、「新型カーナビ入荷!お試し会実施」「新車入荷!試乗会開催」など、LINE友だちを優先的に招待する施策、あるいは「愛車のメンテナンス教室」などをメッセージで案内することも、効果的といえます。

そして、嬉しいことに、ひと月1000メッセージまでであればこれらの機能を全て無料で使うことができるのです。最初のうちは無料プランで導入を図り、友だち数やメッセージ数が増えたら有料プランも検討する方法が得策でしょう。

さらに、メッセージに「車のキズなどでお悩みの方はこのアカウントに直接メッセージをご返信ください」とひと言付け加え、一斉配信した顧客と1対1のやり取りを行うことも可能です。写真や動画を添付してわかりやすく状況を伝えていただくことも、無料電話で会話することもできます。一斉配信をきっかけに、こうして個別に関係を築き、リピートやファンを増やしていくこともLINE公式アカウントの醍醐味なのです。

今回のレポートはLINEのビジネス利用に詳しく、関連書籍が繰り返し増刷されるほど人気を博す、株式会社深谷歩事務所の深谷歩さんに話を聞き、要点をまとめました。深谷さんはSNSを使ったマーケティング支援、執筆活動、ECサイト業務などの事業を展開。LINE公式アカウントの活用に関するより詳しいノウハウを知りたい方は、最新情報をわかりやすくまとめた深谷さんの書籍(右・共著)でご確認いただき、実践していただければと思います。

『コストゼロでも効果が出る!LINE公式アカウント集客・販促ガイド』(翔泳社/1,980円・税込)

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